2016年04月20日

豪州&新西蘭釣行 回想記 第5話 パース到着

2013年12月22日(日)
 深夜着。 予定通り、深夜2時20分くらいに到着した。

入国審査等、すべて問題なくパスして出口を出たら、とりあえず一回ロビーの椅子で横になった。よほど治安面では大丈夫だろうと思っていたけど、やはり初めての国で深夜の一人歩きは気が引けた。そう判断した僕は堅い椅子でバックパックをまくら代わりにして目を閉じた。 パースは暑いのかと思っていたけれど、モンベルの薄手のダウンの防寒着をTシャツの上から羽織ってちょうどいい気温。 5時半ごろ、蚊に手を2,3か所刺されて目を覚ました。気が付くと外はもう明るかった。

日曜日の早朝ということもあり、まだ人影はまばらだ。

インフォメーションで情報を仕入れようと思っていたけれど、朝早いためか人がいない。 市内への行き方すらわかっていないので、とりあえずタクシー乗り場まで歩いて行ってみることにした。

乗り場ではタクシー案内のおじさんがいたので、バスで市内へ行きたいんだけど、と行き方を聞いた。タクシー乗り場なのにバスの乗り方を聞くなんて、少し失礼かなと思ったけど、長い旅路。少しでも節約したかったのだ。

思えば今回の旅の初の英会話だった。
僕は英語を勉強し始めてから西洋文化圏を旅するのが初めてだった。
早すぎて、表現が砕けすぎて、なまりがきつすぎて、わかりにくかった。

東南アジアを英語を使って旅する方が、勉強中の日本人にとってはわかりやすいかもしれない。それはおそらく母国語か第二言語かの違いによるものだろう。

さて、

おじさんの話によると、どうも国内線の空港まで行かないと日曜日のこの時間はここからバスは出ないらしい。

言われた通り、シャトルバスに乗って国内線へ移動。10分くらいだったが無料だった。
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到着してバスを降りようとすると「アレに乗りな」と運転手さんは指をさす。指差した先にはオレンジ色のバス。さっそくそちらのバスへ乗り込む。市内まではバスで15ドル。

荷物はかわいらしいトレーラーにすべて入れて、お客は体一つでバスに乗る。

その後気づいたが、どうもオーストラリアはこういったトレーラーが大好きなようだ。どの車も後部にフック?がついている。
予約していたゲストハウスにはダイレクトでは行けないらしく、僕は最寄りの博物館前で下車した。そこからは地図を頼りに歩くことにした。

とにかく全荷物を持ってひたすら歩く。運転手さんがあっちだと言ってくれた方向を信じて歩く。僕の荷物は40Lの大型バッグと、体の前面にサブバッグ。前後にバッグを背負っている。
しかも釣竿なんて持っているもんだから、やたら目立つ。 でも、釣竿は余計だとしても、世界的に見て、バックパッカーのスタイルなんてこれが標準なのだ。日本では普段あんまりバックパッカーを見ないけど、僕以外もみんなこんな感じで前後にバッグなのだ。

しかし重い。だんだんと肩に荷物が食い込んでくる。 ストリートの名前だけを目印に歩いた。

途中青年二人組に話しかけたり、ガスか何かの集金らしきおじさんに聞いたり、レストランに入って行ったりして、何とか7時過ぎに宿を発見した。

今日からの宿は「Coolobah Lodge Backpackers」というところ。
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受付らしきお姉さんが出てきたが、12時まで待ってほしいと言われた。
どうも時間が早すぎたようだ。

バックパックを念のため倉庫に預けて、コーラを2ドルちょいで買い、ソファーでまた寝てしまった。
11時ごろまでダラダラ。

昼頃ようやくOKと言われ、受付で名前等を記入。
デポジット20ドル。
英語で説明を受けるが、相変わらず何と言っているのかわからない。笑

Wifiは無料ではなくて、3日で10ドル。結構高い。

受付を済ませ、荷物をへに持って行くと、昼食も食べずに出発した。

宿のクーリバーロッジからWilliam st. をまっすぐ南へ。
Swan Riverを目指す。
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正直あんまり綺麗じゃない。笑

その後ぐるっと見てみたけれど、大してなにもない。

昼食は食べないつもりだったけれど、あまりの空腹に耐えきれず、結局マックへ。
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マックでは日本でも海外でも、基本的にビッグマックしか頼まない。9割これ。

西オーストラリア博物館と美術館、図書館とそれぞれ見学してみた。
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美術館で「Do you like painting? 」と言われただけなのに、発音が独特でなかなか聞き取れない。大した質問じゃないのに、何度も聞き返してしまい、ちょっとショックだった。やっぱり耳が慣れていない。

図書館ではニューサウスウェールズ州の釣り場の本があったので、買ってみた。2ドルと安かった。


夕方、同じ部屋のルークという青年と仲良くなった。
ワーホリでオーストラリアに来ているらしい。まだ20歳と若いが、ガーナで二ヶ月ボランティアをしたことがあるという行動派。オランダ出身。

一緒に夕食を食べることになり、彼は持っていたラビオリの缶詰を半分分けてくれた。
結構美味しかったけれど、量が足りない。
たぶん彼も日野に分けたせいで足りなくなっているだろう。

結局空腹に耐えきれず、近くのマックへ。
正直昼も夜もマックは辛い。健康にも悪い。

チーズバーガー二個購入。

早くお店に行かないと、オーストラリアの日曜日は、どこも早く閉まってしまう。
19時とかもうあやしい。

今日の教訓は、英語をもっと勉強しないとだめ、ということ。
発音の違いの問題もあるのだろうけど、まだまだだと痛感した。

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シャワーを浴びて、23時には就寝。

2016年04月13日

豪州&新西蘭釣行 回想記 第4話

2013年12月21日(土)
 二日酔い。14時初のバスでKLへ行き、夜パースへ。



うう。今日は移動日だというのに、朝から強烈に気持ちが悪い。二日酔いだ。いうまでもなく昨日のビールのせいだ。 しかも、ベッドの横には…夜中に気持ち悪くなって吐いてしまったようだ。(汚い話でスイマセン!) 頭が痛い。くらくらする。
僕は酒が好きだけれど、それほど強くはないのだ。
何とか酔いを覚まそうと、熱いシャワーを浴びてみたが、全然よくならない。
だめだ。
沈さんは気を使ってくれて、胃にやさしい(であろう)うどんみたいなものをテイクアウトで買ってきてくれた。しかし、それすらもなかなかのどを通らない。
「なんでもいいから食べないと、良くならないよ」との言葉に応えようとするのだけれど、正直食べることはおろか、声を出すことも辛い。 まさかこんなことになるなんて。恐るべし、12%ビールの力! 無理やり食べた朝食後、胃薬を飲んで、11時ごろまで二度寝をした。
ソファーでウトウトしているだけだったけど、だいぶ回復できた。
 
ずっと横になっていたかったけど、移動日なのでそうもゆっくりしていられない。 荷物をまとめなくてはならないし、汚してしまった部屋も掃除しなくてはならない。
自分でしてしまったこととはいえ、この二日酔いの中、汚物の処理は本当に拷問であった。
 
だがもう時間がない。 急いで部屋を掃除し、荷物をガサゴソまとめた。
気持ち悪い時は、あんまり近くにあるものを見たくないものだけど、この時ばかりは仕方ない。何とか頑張った。

14時発のバスに乗るため、13時に家を出た。

時間はあまりなかったけれど、一応時間的に昼食を、ということで、近所でチキンライスを食べた。名前は同じだけれど、日本みたいにチキン入りのケチャップライスではない。 さっき頑張って無理やり体に鞭を打って荷物をまとめたせいで、このころには食欲も少し
回復していた。 急いでいるのに、マレーシアの人はゆっくり。なかなか料理持ってこない。早く!笑
 
バスターミナルはわりと最近イポーにできたAMANJAYAというところ。
沈さんが日本を出発する前から事前に予約してくれていた。KLまで片道45リンギット。日本円で約1400円だ。

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やはり知人の力は、旅をする者にとって本当に心強い。
出発前は水まで買ってきてくれて、本当にどこまでもやさしく暖かいのだ。 僕も少しは見習わなくては。ありがとう!
 
あっという間のマレーシア滞在。 また来ようと思う。本当にありがとう! 沈さんに別れを告げ、バスに乗り込んだ。
 
思っていたよりもバスは広く、快適な感じ。
ほぼ定刻にバスは出発した。
たまたま隣に座ったマレー系と思われるおじさんもいい人だった。
話を聞くと、どうも息子さんは日本の大学に通っているらしい。 政府関係のお仕事をしているらしく、お金持ちっぽい。 色々話ができて、こういう時英語を勉強していて本当に良かったなぁと思う。
途中のトイレ休憩でも、売店まで僕を呼んで、ピーナッツの小袋を買ってくれた。
バスの中で二人して一緒にポリポリ。
こういう何気ない時間が、旅の中で大好きだ。

17時20分。KL空港着。
おじさんに別れを告げ、国際線のカウンターを目指す。
マレーシア航空 20時20発 MH0127便 オーストラリア・パース行

カウンターで荷物を預ける際、釣竿を入れてある“手製の塩ビ配管で作ったケース”を職員が見て、「ステッカーを剥がしてほしい」と言われた。これはホームセンターにあるもので自作したもので、あちらこちらの国の空港関係のシールが張られている。

思えばこの竿たちと共に色々な国を巡った。ベタベタにいろんなステッカーが貼られた思い出の塊。もうボロボロ。 どこの国でも「これはなんだ?」と言われる。

なるべくバーコードの付いた航空会社のステッカーはすぐに剥がすようにしているのだけど、それすらも面倒に感じるほど、この一年は飛びに飛んだ。

貼りたくて貼ったステッカーはほとんどついていないのに、剥がしてくれと言われたことが妙に面白かった。

チェックインとセキュリティーチェック後は、ゲート前でサブバッグの修理。
このバッグももう何年使っているかわからないくらい、酷使されている。
破れたところを針と糸で雑に縫いつける。
今回の旅で引退させようと思っているのだけれど、あと二か月は頑張ってもらおう。
コロンビア社製 名称不明 ?リットル

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夕食にと、ロビーのレストランでツナサンドを食べたのだけれど、結局離陸してから21時過ぎに機内食が出た。やっちゃったなと少し後悔した。
でもまた食べる。僕は案外食いしん坊なのだ。
事前に確認すべきだったな。旅の経験値はまだまだのようだ。

豪州&新西蘭釣行 回想記 第3話 良型ピーコックと12%alc BEER🍺

2013年12月20日(金)
「Tasik Rabanへ。足こぎボート?の旅。 」

朝6時45分起床。

夜中に少し寒さを感じたので、天井のファンとエアコンを切って寝たのだけど、そのせいで蚊にめちゃくちゃ刺されてしまった。おかげでかゆくて痒くて全く眠れず。トホホ。 起きて荷物の確認をする。

バッグの中の前回からの「残っていたお金」を数えたら256リンギット、日本円で約8000円。普段なるべくお金は各国で使い切ってくるように心がけてはいるのだけれど、どうしても海外に行く機会が増えてくると、通貨も無駄にどんどん増えてきて困る。まさにタンスの肥やし!しかも、かなり前に仕事で訪問していたインドの通貨・ルピーも大量に手元にあって持て余していた。インドに行く機会は次がいつなのかわからないし、正直じゃまである。そんな時ふと「マレーシアってインド人多いよなぁ。もしかしたら使えるんじゃない?」って思って今回持ってきてみた。数えてみると5920ルピー、日本円で約1万円。

それで、それを山脇さんに聞いたら、なんと山脇さんは仕事の関係でインドから帰ってきたばかり。インドにしばらく住んでいたくらいの方(?)なので、快く両替してくれた。ちょうど銀行の口座を解約して、手元にルピーがたくさんあって、少し増えても困らないとのこと。ラッキー!

さて、今日は8時過ぎに家を出た。
9時に一度山脇さん宅に寄ってルピーを交換。
この家の家主、山脇さんのルームメイトの友人ミミさんにも少しの時間だったけど再会することができた。この数か月で旦那さんを見つけ、赤ちゃんもできたらしい。
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本当にたった数か月ですごい展開の速さ。驚いた。マレーシアに住む方はみんなこうなのかな?
また赤ちゃんが生まれるころにおじゃましたいな。末永くお幸せに!
 
その後、三人でインド系の食堂で遅い朝食。ここは前回来た時にもお邪魔した。今回で二回目だ。
僕はロッティー・チャナイという南インドのナンみたいなものと、羊のカレー、そしてドラゴンフルーツのフレッシュジュースを注文した。
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いつも思うけど、いつも言うけど、マレーシアで食べる料理は本当にどれもおいしい!僕が旅や釣りや外国の魅力を伝えるにあたって、その国を見るにあたって非常に重要な部分の一つは、間違いなく料理だ。

特に東南アジアの。記憶力が悪いから料理名をメモっておかないといつも忘れてしまいがちになるのだけれど、本当にアジア飯はうまい。やはり日本という先進国で西洋化がすすむ現代においても、我らは紛れもなくアジア人なのである。かつて作家の開高健氏は「心に通じる道は胃を通る」と記した?が、まさにその通りだ。
ただし、モンゴルは除く。あの国の料理は…。また機会があれば語るとしよう。笑

しかし…
熱いトークをした後で恐縮なのであるが、この朝食後、まさかの「お腹の調子」が悪くなってしまう。 おそらくカレーのせいではなく、昨日の夜フードコートで飲んだコーラの“氷“が原因だ。いつもは氷なしにしてもらうのだけど、言い忘れてしまったのだ。

山脇さんとはここで終わりだったのだが、「また来ますね!じゃあね。」と手を振りながらながらも、頭の中は雲古のことでいっぱいになった。非常事態発令なのだ。 車を走らせると、釣りの前にすぐにガソリンスタンドへ寄ってもらった。何とかギリギリのところで間に合った。ちなみに、マレーシアのトイレは紙がない。

東南アジアはこういった紙なしトイレが非常に多い。場所によって和式(日本だけではないので和じゃないよね?)と洋式がある。今回は洋式であった。しかし、いずれにしても紙はない。その代り、もれなく蛇口とホースがついている。これがふつうである。(インドではホースではなく“コップ”のところもあった。喉が渇いていたからと言ってもちろん飲まないように。笑)文字通り、「手洗い」になっているため、床もビショビショなのがふつうだ。潔癖症の方がみると、思わず眉をひそめるであろう。

現地の方でも潔癖症がいるのか、よく見ると洋式なのに便座の上に無数の足跡があったりする。ナンデだ?おそらくビショビショの便器にお尻をつけたくないのだ。他人と知り合いに、いや尻合いになりたくないのだ。

トイレの話はほどほどに、車に乗り込み北へ向かった。非常事態は解除された。 今回目指した場所はTasik Ra◯an 「ラ◯ン湖」というところ。イポーからだと高速を使ってだいたい一時間くらいのところにあるダム湖で、前回良型のトーマンを釣り上げた思い出の場所だ。

11時20分に到着。
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まずは、前回来たときに思い出深いサカナを釣り上げたポイントに入る。

まずは道具をセットし、ルアーと昨日買っておいたナマズ両方で試してみる。
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湖全体の状況を確認しながら釣りを進めていくが、前回来た時よりも水位が1メートル近く上がっている。ただでさえ岸から釣りができるエリアが限られているこのエリア。非常にやり辛い。特にこの場所は岸から手前全体に浮草が茂っており、すぐに釣り糸が絡んでしまう。

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昨日アランさんのお店で購入したおススメのルアーも試してみるが、すぐに引っかかってしまい、糸がすぐに切れてしまった。全く釣りにならない。幸いフローティングタイプ(浮くタイプ)だったので、近くを通りかかった漁師さんらしき若者にお願いして回収してもらった。お礼にチップを渡そうとしたのだが、「いらないよ」と言って、素敵な笑顔だけ残して去って行った。 その後、釣り場を求め、近くにある湖畔のリゾートの敷地内へ。 広大な敷地の奥に浮桟橋があったので、そこからしばらく狙ってみるが反応なし。 「やっぱりボートがないと厳しいなぁ…」 岸から狙える場所が少なすぎて、本当に釣りにならないのだ。
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場所を求めて、また移動。 たまたまボート屋さんを発見!
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「おぉ、ボートあるじゃん!!」 そういえば前回借りなかったけど、ここにきて記憶が蘇ってきた。すんなり見つけることができた。 しかしお店は閉まっていた。定休日か?と思ったけど、マレー系の人が多いこのエリア。おそらくお昼近いこの時間は「お祈り」の時間で一時的に閉めているのだろうと読んだ。 とりあえず僕らも昼食をとることにした。

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午前中何にも反応がなく釣れなかったので、正直少し焦っていた。おいしいご飯を食べているときも、終始考えているのは釣りのこと。 マレー料理を食べた後はすぐにボート屋さんへ戻った。

戻るとお店はやっぱり開いていた。

「よし!」 さっそく受付の方と交渉する。

お店の人はやたらとエンジン付きボートを勧めてきたけど、少し値段高い気がしたし、エレキがないのにエンジン付きを借りても、釣りをしてる最中の微妙な操船ができないと、これまた釣りにならない気がした。 迷った挙句、超ボロボロの足こぎボートにした。めちゃくちゃ遅いし疲れるだろうけど、微妙な操船は可能。エンジン音もないので、魚に余計なプレッシャーを与えにくいと思った。しかし、足こぎボートなんて、小学生時代のスワンボート以来だ。 交渉して、時間無制限で30リンギット(日本円で約1000円)に値切った。これから二か月の旅をひかえている僕は、節約の鬼になっていた。

準備をしてボートに乗り込む。

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実際乗ると思っている以上に遅いし、操船も結構難しい。舵があまり効かないのだ。 まぁしばらくしたら慣れたけど。 岸際を流しながら、気になるスポットにルアーを通していく。 このボートは屋根がついているから、突然のスコールや強い日差しは遮ることができるけど、キャストがしにくい。投げる度にルアーが屋根に当たらないように注意しなくてはならない。

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色々なルアーを使って反応を見るが、全く生命感はない。何もない時間が過ぎていく。焦る自分。 そうこうしているうちに、午前中ルアーを引っかけてしまったエリアに着いた。 前回の旅では、何度か岸から魚の反応があった、思い入れのある場所だったので、闇雲に投げず、少し考えてからルアーを選び直し、結んだ。

その気持ちのこもった第一投目。

とうとう待ちに待ったこの時が来た!魚だ! どう考えても昨日のサイズとは違う引き。 水中で鮮やかなオレンジ色が揺れる。 最初はトーマンかなと思ったけど、水中の色でピーコックバスだということが分かった。


沈さんがネットを用意し、僕に手渡す。 焦らず慎重に、と自分に言い聞かせながらも、興奮が抑えきれない。 「頼むからバレないでくれよ」左右に泳ぎ必死に抵抗する魚を見ながら、何度かそう思った。 数分後、ようやくネットの中に魚が入った。

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「よっしゃー!!やった!やったよ〜!」

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釣り人の至福の時。この一匹までが長かった。 「ありがとう!」沈さんと握手。 サイズを測ると42cmとそんなに大きくなかったのだけど、 昨日のと比較すると二倍以上ある。笑

平均的にピーコックのサイズが小さいマレーシアではまずまずのグッドサイズといえるだろう。 久しぶりにこんなに興奮することができた価値ある魚。三度目のマレーシア挑戦でようやく記憶に残る魚を手にすることができた。 記憶に焼き付けようと、魚体を眺め、何度も何度もシャッターを切った。

撮影後は、生きたまま魚を野生に返す。リリースするのだ。 せっかく釣ったのにもったいないって? いや、ナンデかわからないが、食べてしまおうとは思えないのだ。生きたまま逃がしてあげたいのだ。 特に良い魚を釣り上げたとき、釣り上げて満足度が大きいほど、その気持ちが顕著に表れる気がする。 なぜこういう心境になるのか、考えたけど、単純に殺してしまうことを嫌っているのかもしれない。何かを殺すということは気持ちいいものではない。

生き物を、釣り上げた魚を殺すことは、釣り師の中に、感動とは別の、新たな特殊な感情を生む。 その新たな複雑な感情が釣れた喜びをかき消してしまう。 食べておいしいと感じる喜びよりも、殺してしまった時の「悲しい」と思う感情の方が上なのだ。

いくらおいしく食べても、その感情は消えない。 悲しい感情よりも、釣れた魚が元気に帰ってくれた時の「喜び」の方が上なのだ。 だから僕は水に帰す。

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元気で帰ってくれた魚は、その後何年も、その土地と、自分の頭の中両方で泳ぎ続ける気がするのだ。 もう十分遊んだではないか。
殺す遊び、ハンティングではないのだ。

「じゃあね」とリリース。

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水しぶきを上げながら、今回も元気に水中へ帰って行った。 住処へ戻すことができた。 その後も足こぎボートはしばらく湖面を彷徨った。しかし魚からの反応はまたしても無くなった。どうもこの湖の大型の魚の個体数はそれほど多くはないらしい。

日本からはるばる遠くまで来ると、どうしても海外はパラダイスで、魚がたくさん釣れてくる、と思ってしまいがちで妄想は膨らむのであるが、実際はそんなことはなく逆であることの方が多い。

一時間くらいして、僕らは向かい風の中漕いで漕いで対岸へと向かった。 しばらくすると、突然水面に波紋が広がった。魚だ。 おそらくトーマンだろう。日本のライギョに似たこの魚は、日本のそれと同じように水面で空気呼吸をする。 ボートを止めて、狙いを絞る。数投目、僕の投げるルアーにアタリがあった。 上がってきたのは40センチくらいの、超かわいらしい赤ちゃんトーマン。

「小さいなぁ。まだ他にもいるんじゃない?」と思って、その魚をとりあえずバケツに入れ、しばらく釣りを続けてみた。釣りはタイミングだ。まだ周りでは他の魚が呼吸している。釣れそうな雰囲気を感じているときはひたすら攻める。このタイミングを逃がしてはならない。 が、しばらく様子を見ながら釣りを続けたけど、それっきり反応はなくなった。

おまけに、バケツ内に入れておいたトーマンは、暴れてジャンプして、湖に帰ってしまった。写真すら撮っていなかったのに。悔しい。後悔先に立たず。 まぁ、良型ピーコックが釣れたから、ヨシとしよう。 スコールが降りそうな雲行きだったので、雨が降り出す前にボート屋さんに戻った。
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短い時間でいろいろあったけれど、時計を見ると三時間ほどの釣りだった。 片づけをして、車を走らせると、やはり豪雨となった。

夜は沈さんの家でご飯を食べることとなり、電話で帰宅途中で予約したテイクアウトのチャーハンとビールだった。
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テキトーにビールを二本購入したのだが、これが失敗だった。 僕が選んだ二本とも、アルコール分が12パーセントだったのだ。 僕は5パーセントのビール以外嫌いなのだ。 味は悪くなかったのだけれど、案の定、悪酔いした。 素敵な一日が、ビールの選択を誤ったせいで、最悪な一日に変わってしまい、この日は幕を閉じた。

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